第10話「マドリッドの愛の小箱」
放映日:1979年4月20日
舞台:スペイン、マドリッド郊外の小さな村
花言葉;シクラメン「疑いを持つ」
ゲストキャラ:ミゲル(村長の息子)
ルンルン一行は旅費稼ぎのため、スペインのマドリッド郊外にある小さな村のガウディ村長の屋敷に住み込んで、アルバイトをしていた。
買い物帰りに行き会った村長の息子ミゲルに声をかけられ「旅費がたまったので、明日出発しようと考えている」と話すルンルン。ミゲルは、自分の母にそう言われたのではと心配し、名残惜しそうだ。
ルンルンは、ミゲルと一緒に足を止めた露天で売られていた小箱が気に入って手に取るが、値段の高価さに「とても無理」と買うのをあきらめる。ルンルンを見つめ、何事か考える様子のミゲル。
屋敷に戻ったルンルンは、ミゲルの母・テレサに部屋の掃除を言いつけられる。主人のガウディ村長は、「よく働く子だし、もう少しいてもらっても」とルンルンを気に入っているようだが、テレサはそうではないようだ。
テレサは、ルンルンの仕事の様子を細かくチェックし、ルンルンが足をぶつけてしまった壷について、特に注意を払うようにきつく言う。
翌日、「あれだけ働いたんだからもう少し色をつけてくれたって」とバイト代にけちをつけるキャトー、「ガウディさんところはかかあ天下だから」と達観するヌーボの言葉を聞きながら、旅立とうとしたルンルン。そこへやって来たミゲルは、彼女に何かプレゼントを渡そうとした。
そのとき、屋敷の使用人サンチョたちが駆けつけてきた。屋敷の壺がなくなり、ルンルンが盗んだのではないかというのだ。カバンを調べられ、屋敷に連れ戻されたルンルンは、自分の潔白を主張するが、テレサは「旅慣れた子だから、本当はどうかわからない」と疑う。あの壺は、ガウディ夫妻の結婚記念の壺だったのだ。ルンルンに疑いがかけられる様子を見て、ミゲルは何か言おうとするが、テレサに一喝され、黙ってしまう。
「真犯人がわかるまで」と納屋に閉じ込められてしまうルンルンだったが、ミゲルの助けで脱出。
ミゲルはルンルンに逃げるように言うが、疑いを晴らそうと、真犯人を捜す決心をするルンルン。ヌーボの鼻を頼りに屋敷の中を調べ、ヌーボが行き着いたのは・・・ミゲルだった。テレサに見つかったルンルンは、屋敷から逃げ出すことに。
身を隠した麦畑の中でヌーボは、「壺のあった場所に、ミゲルがサッカーボールを磨いていた油の匂いが残っていた」と話すのだった。
一方、その様子から真犯人はミゲルだと悟ったトゲニシアとヤボーキは、盗みの罪をルンルンにかぶせるため、ミゲルに近づく。ミゲルはそそのかされ、ルンルンのカバンの中に父の万年筆を入れる。ヤボーキも村人の家から様々なものを盗みだし、ルンルンのカバンに入れる。そしてミゲルに「お前も共犯だぞ」と意地悪く告げる。
翌日、ヤボーキはルンルンのカバンを集めた村人の前で開け、「やはり犯人はルンルンだ」と扇動する。そして、様子を見に来たルンルンを追い回す。その光景を目にし、罪悪感にさいなまれたミゲルは、教会に行く。ルンルンも村人に追われる原因は、小さな盗みなどをした日頃の自分の行いを神が罰したのだと考え、教会に行く。
ミゲルは人の気配に気づき、懺悔部屋に隠れる。教会にやってきたのはルンルンだった。ルンルンは、ミゲルとは別の懺悔部屋に入り、向かいの部屋に神父がいると思って今まで旅の間に犯してきた罪(無賃乗車・無断で果物をたべるなど)の懺悔をする。ミゲルは鼻をつまんで「神に祈りなさい」と、やっとのことで応える。
祭壇で祈りを捧げるルンルン。そこへ追っ手がやってきて、ルンルンは再び懺悔部屋に入る。
村人とヤボーキは、ざっと教会の中を見回ったあと、出て行った。
いったん懺悔部屋から出たミゲルは、懺悔部屋に神父が入ったと思いこみ、再び懺悔部屋に入る。今度は本当に神父に向けて、懺悔をするためだった。
ミゲルは、壷を盗んだのは自分であることやルンルンに罪を被せようとしていたこと、ルンルンが好きで、露天で見つけた小箱を彼女にプレゼントするために、壺をマドリッドのノミの市に売ったことなどを洗いざらい話す。向かいの部屋にいたのは、神父ではなく、ルンルンだった。
神父になりすまし、鼻をつまんで「本人が許すと言っているのだから、間違いない」という迷セリフをミゲルに告げたルンルンは、一目散に教会を後にし、ノミの市に向う。
その直後、ミゲルの懺悔部屋の扉を開けたのは、本物の神父。ミゲルは、さっき自分が真実を話した相手はルンルンだったと悟る。あわてて教会を飛び出すミゲル。
ノミの市で、壺を売っている骨董屋を見つけたルンルンは壷を買い取ろうする。しかしそこへあらわれたのはトゲニシア。骨董屋の言い値より値段をつり上げて、壺を買い取ろうとする。
ルンルンは事情を必死に説明し、骨董屋を説得。骨董屋の心を動かし、壷を手に入れることができた。
そこへ、ミゲル・村長・テレサやサンチョたちがやってきた。皆ミゲルから事情を聞いており、壺を受け取った村長とテレサは、これまでのことをルンルンに謝るのだった。ミゲルはルンルンに小箱をプレゼントした。
ルンルンは旅立っていく。セルジュはミゲルの父に、シクラメンの花の種を渡すのだった。
《管理人が斬る! この回の見どころ》
お坊ちゃん・ミゲルの気の弱さにやきもきさせられるが、「ああいるよね~こういう子」とも思わせてくれる。懺悔部屋のシーンは秀逸!テキストだけで表現するのがなかなか至難の業なので、ぜひご覧になってみてください。懺悔というキリスト教圏独特の作法について理解を深められます。
