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第16話「木靴のシンデレラ」

放映日:1979年6月8日
舞台・オランダ・アムステルダム郊外の町
花言葉:スイセン「うぬぼれ」
ゲストキャラ:サボ作りの老人 ハルス(若いサボ職人)

オランダ郊外の花畑にやってきたルンルン一行。
ルンルンは、花の手入れをしている男性に、靴が濡れていることを指摘される。男性が履いていたのは、雨上がりや濡れた土の花畑での作業にうってつけの「サボ」という木靴だった。

町を歩く一行は、街角の人だかりに足を止める。シルクハットにタキシードの胡散臭そうな男が、一足の黄色いサボを手にしており「このサボがぴったり合うシンデレラを捜しているよ」と触れ回っていた。サボが足に合えば、シンデレラとして、三日間にわたるホテルでの豪華な接待もつけるという。ちょうどサボを手に入れたいと思っていたルンルンは、ヌーボとキャトーにもすすめられ、サボを履こうと前に進み出る。男の持っていたサボを履いてみるルンルン。サボは彼女の足にぴったりだった!
「このお嬢さんがシンデレラだ」と決まったかに思えた次の瞬間、現れたのはトゲニシアとヤボーキ。ヤボーキは「サボを売るのを手伝ってやるから!」と「タキシードの男を脅してトゲニシアをシンデレラにするように迫る。トゲニシアはむりやりサボに足を押し込み、あっさり男はトゲニシアをシンデレラにしてしまった。ヌーボとキャトーは地団駄を踏む。
続いてタキシードの男は、背後のワゴン車の後ろを開け「サボ作りの名人」を紹介する。車の中でカラフルな民芸品風のサボを作っているのは、若い職人だった。

「あんな所から買ってやることはなかったのに」とキャトーに言われつつもサボを履き、川岸まで歩いてきたルンルン。靴擦れができてしまい、靴を脱いで足を川の水にひたす。
そこへ老人が通りがかった。老人はルンルンが脱いだサボを手に取り、しばらく眺めた後「ふん!」と放り投げ、「こんなものは靴じゃない」と言い放つ。そして、「本当にサボを履きたいのなら、ついてこい」と言うのだった。

ルンルンたちは老人の家にやってきた。老人は郊外の家でつつましい生活を送っていた。老人はルンルンの足のサイズをはかり、サボ作りにとりかかった。
そこへやってきたのは、昼間、街角でサボ作りの実演をしていた若い職人・ハルス。彼はもともと老人の所でサボ作りの修行をしていたが、現在は派手に活動している。彼は老人に「自分の仕事を手伝って欲しい」と言うが、老人はハルスをすげなく追い返し、ふたたび作業に取りかかるのだった。

一方、まんまとシンデレラになったトゲニシア。ヤボーキとともに豪華ホテルで贅沢三昧し、タキシードの男は「破産しちまう・・・」と頭を抱える。

翌朝、サボは出来上っていた。木目そのままの素朴なものだったが、ルンルンは、その履き心地のよさに飛び上がって喜ぶ。「当たり前じゃ。ちゃんと測ったんだから」とぶっきらぼうな言葉をかける老人だが、まんざらでもなさそうだ。

ふたたび町を歩き出すルンルン一行。すると彼女のサボを見た町の人々から、「じいさんのサボを履いているね。目が高い」と声をかけられた。見た目は地味だが、老人のサボは本当に履き心地が良いのだという。老人は民芸品化に逆らい、履きものとして役に立ち長持ちするものを作っているのだ。そのため、質素な暮らしをしているのだと思ったルンルンは、「おじいさんのサボのよさを一人でも多くの人にわかってもらうわ」と、街角でPR活動をはじめる。そこへまた立ちふさがったトゲニシアとヤボーキ。集まった客を昨日のタキシードの男の所へ連れて行こうとするが、「おじいさんのサボを履いてみてください!合わなければお代をお返しします!」と食い下がるルンルンの熱意に、一人の男性が手をあげた。

客の足のサイズを測って戻ってきたルンルンの依頼を、「本当に必要としている人に履いてもらうためのサボを作りたい」と老人は断る。「おじいさんの気持ちも考えないでごめんなさいね」と肩を落とし、出て行くルンルンの背中を見つめる老人。

翌日、サボができなかったとルンルンは客に謝るが、約束が違うと責められる。ヤボーキがさらにヤジを飛ばす。そこへ完成したサボを持って老人が現れた。「ぴったりだ!」と喜ぶ客。周りの人々も次々に老人にサボを注文する。「わしのためを思ってしてくれたんじゃから」とルンルンにほほえむ老人。
しかし、タキシードの男が割って入った。喜ぶその客はサクラかもしれないといちゃもんをつけ、ハルスと勝負しようと言うのだ。人垣からまた別の男性が名乗りをあげ、老人とハルスは夕方までにサボを作ることになる。

心配そうに見守るルンルンのそばで、老人は何とかサボを作り上げた。しかし、男性はハルスのサボの方が履き心地が良いと言う。「測り間違えたか・・・」と去っていく老人の背中を見つめたルンルンは、「まだ勝負はついていないわ!」と、トゲニシアに自分のサボと履き心地を比べようと持ちかける。勝負はその夜のダンスパーティーとなった。

「パートナーはどうするのか」と心配するヌーボとキャトーの声を聞きつつも、ルンルンは花の鍵でドレスに変身し、会場へ行く。「一人で踊るのね」と馬鹿にするトゲニシア。曲がはじまった時、「僕にまかせるんだ」と現れたのはタキシード姿のセルジュだった!

セルジュのリードで楽しく踊り続けるルンルン。ヤボーキと踊っていたトゲニシアはとうとうリタイアし、ルンルンの勝ちかと思われたが「そんなみすぼらしいサボはパーティーには合わない」と屁理屈を言い出すトゲニシア。反論しようとしたルンルンを制したのは老人だった。「もういいんじゃよ」と老人はその場をおさめる。

タキシードの男はハルスに、明日からもっと働くようにけしかける。少しは休みが欲しいと訴えるハルスを男は一喝。そこへ「うまくいったな」と近づいてきたのは、夕方ハルスのサボの方が履き心地が良いと言った男だった。その男こそサクラだったのだ。「お前くらいの腕の奴はいくらでもいる」とも言われ、ショックを受けるハルス。

翌日、出発しようと町を歩くルンルン一行が目にしたのは、懲りずに「シンデレラ」のデモンストレーションをしているタキシードの男だった。しかし、「名人」はハルスではなかった。「あいつも同じことになるさ」とハルスが声をかけてきた。お払い箱になったのだという。「おじいさんの暮らしを楽にしてあげようなんて、とんだうぬぼれね」と言うルンルンに、ハルスも、本物のサボを作るためにまた老人の所で修行させてもらうことにしたと告げるのだった。

旅立つルンルンを見送るハルスに、セルジュは「その気持ちを忘れないために」とスイセンの球根を渡した。

《管理人が斬る! この回のみどころ》
流行と実用・・・相容れないものの対立が描かれているエピソード。
ルンルン放映から25年以上たった今の方が顕在化している問題かもしれない。モノの寿命はどんどん短くなり、人すらも使い捨て・・・考えさせられます。
ダンス対決の際、どこからともなく現れるセルジュさんは、まさに「風車の弥七」でございます。

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