第22話「絵の中のやさしい母」
放映日:1979年7月20日
舞台:ドイツの田舎町
花言葉:ぜにあおい「母の愛」
ゲストキャラ:ワルター(画家の卵) ゲオルグ(悪徳美術商)
「七色の花」があると聞いて、ドイツの田舎までやってきたルンルン達だったが、それはまたしても目指す「七色の花」ではなかった。日が暮れて辺りは真っ暗、おまけに雨にもたたられて、木の下で雨宿りをする3人も疲労の色が濃い。
そんな中、ルンルンの目が吸い寄せられたのは、近くの民家の窓灯りだった。ぐずりだす赤ちゃんをお母さんが抱き上げて、優しくあやしている。ほどなく赤ちゃんは安心し、笑い声をあげはじめた。ルンルンは暖かい母の愛情をあこがれの目でみつめる。
彼女を現実にひきもどしたのはヌーボとキャトーだった。「早くねぐらを探そう」3人は走り出し、とある建物にたどり着く。ドアの鍵はかかっていなかった。手近な場所に座り込んだルンルンは、そのまま眠り込んでしまう。「よっぽど疲れたんだな」と案じるヌーボとキャトー。
ルンルンは亡くしたママの夢を見ていた。
翌朝、目覚めると、そこは絵の展覧会の会場らしかった。そして、目の前にかかっていたのは「聖母子像」。親子の深い情愛にあふれたその絵は、ルンルンの心をとらえる。
そこに、一人の青年がやってきた。思わす「すばらしい絵ね」と声をかけるルンルンに、青年は「ありがとう」と答える。その応答で、ルンルンは青年がこの母子像を描いたのだと悟る。
そしてもう一人、絵を携えた初老の男性も現れ、「まだ出品できるかな」と青年に声をかけた。青年は愛想よく応対する。ルンルンはその男性(弁護士)にも母子像のすばらしさを語す。青年はワルターと言い、プロの絵描きらしい。「こんな市民展覧会に君のようなプロが出品するなんて」と弁護士は意外な表情だが、ワルターは激しく動揺し、会場から走り出してしまう。慌てて後を追いかけるルンルン。トゲニシアとヤボーキも彼女をみつけ、後をおいかける。
ワルターはある屋敷の中に消えた。あきらめきれずに庭にまわるルンルンの目に入ったのは、なにやら怪しげな雰囲気で行われている絵の商談だった。屋敷の主人にみつかり、あわてて一旦は外にでたルンルンだったが、「あんなすばらしい絵を描く人と話してみたいわ」と、花の鍵を使って、絵のモデルに変身。「ワルターさんに頼まれましたの」と申し出て、まんまとワルターの部屋に入ることができた。
ワルターは、部屋の外を用心深く確認した後で扉を閉め、自分のことを話し始めた。屋敷の主人・画商のゲオルグに雇われて絵を描いているのだという。だから、市民展覧会に出品したことは内緒なのだと。
ルンルンはあらためて母子像のすばらしさをほめ、「もしかしたらワルターさんもお母さんがいないんじゃないかと思ったの」と、自分の命とひきかえに亡くなった母のことを話す。「せっかくこの世に生まれてきたのだから、この子を助けてやって欲しい」と願ったルンルンの母のことを聞き、同じく母のいないワルターも「すばらしいお母さんだね」と心を動かす。
「私もワルターさんのようにすばらしい絵が描けたら・・・」と部屋の絵を手に取り、無邪気に「あら、これはピカソじゃないの」と声を上げるルンルンを見て、ワルターはまたしてもうろたえ始める。部屋に入り、ルンルンを捕らえたのはゲオルグだった。「お前は注文の絵を描いていればいいんだ」とワルターを一喝し、ゲオルグはルンルンを連れ出す。
ゲオルグはルンルンの手足を縛り、車に乗せて屋敷を飛び出した。慌てて後を追いかけるヌーボとキャトー。実はゲオルグは悪徳画商で、ワルターに名画の贋作を描かせては高く売りさばいていたのだ。ゲオルグは口封じのため、ルンルンを森の中の廃屋の水牢に閉じこめる。
やっとのことで水牢にたどりついたヌーボとキャトーだが、鉄の鎖で繋がれており、歯が立たない。「ワルターさんを呼んでくるから」と飛び出す2人。刻々と迫ってくる水の恐怖に耐えながら、ルンルンは母に祈るのだった。
ゲオルグの屋敷には、トゲニシアとヤボーキがいた。ワルターに「ルンルンはどこへ行った」と詰め寄る。「知らない」と答えるワルター。ゲオルグも現れ、にらみ合うが・・・そこに踏み込んできたのは警察だった。さっきの商談の相手が、贋作名画を売りつけられたと気づき、警察を引き連れてきたのだ。ゲオルグとワルター、居合わせたトゲニシアとヤボーキも警察に連行される。
その様子をみたヌーボとキャトーは「どうなってんの?」と思いつつ、警察に向う。
みな牢屋に入れられてしまい、途方にくれるヌーボとキャトー。警官に助けを求めるが、しゃべるネコを見て気絶される始末。パトカーの影で思案する2人の目にとまったのは、地面におちていたコインだった。「電話だ!」2人は電話ボックスへ走り、連家プレーで警察に電話して、ワルターにつないでくれるように頼む。
警察の中では、ワルターは弁護士と接見していた。「私も絵が好きだし、君の弁護を引き受けよう」と話す弁護士。そこへ刑事が電話がかかっていると告げに来る。
電話は弁護士につながり、ヌーボとキャトーはルンルンの助けを求めることに成功する。水牢のルンルンは絶体絶命、水はもうあごの辺りまで迫っていた、必死に母に祈る彼女のもとへ、かけつけた弁護士、ヌーボ、キャトー・・・間一髪だった。
ルンルンを助けた弁護士は、ゲオルグが逮捕されたこと、またワルターについても「ニセ名画を描いた画家の烙印を押されることになる」とルンルンに話す。ルンルンは、「ワルターさんが本気で描いた絵があるんです!」と言い、弁護士も「精一杯弁護してみよう!ルンルン、裁判で証言を頼む」と明るい表情になる。それを見ていたのは、やっと牢屋から解放されたトゲニシアとヤボーキ。「また余計なことを・・・」といらだつ。
ルンルンは市民展覧会場に走り、ワルターの聖母子像を「ちょっと失礼」と壁から外し、手にすると裁判所へと走り出す。トゲニシアが立ちはだかるが、セルジュの助けで、ルンルンは事なきを得、再び裁判所へと急ぐ。
裁判ははじまっていた。ヤボーキは検事に化けてワルターの罪を責めていた。「証人はまだ現れないのか」といらだち始める法廷。そこへ飛び込んできたのはルンルン。聖母子像を手に、母のない子の寂しさや母の情愛がどれほど恋しいかを切々と語り、「ワルターさんはこんなすばらしい絵が描けるんです!」と法廷を説得する。
傍聴していた町の人たちは勿論、裁判官も心を動かされ、「この絵を今回の展覧会の一等にしたい」という声があがった。ワルターの絵の実力はルンルンの弁護で認められたのだ。しかし、ワルターは「贋作を描いてもらったお金で買った、汚れた絵の具で描いた絵だ。きれいな絵の具で書き直したい」と、キャンパスを破いてしまうのだった。
ワルターは牢屋で罪を償いながらも、日の光の入る牢で、絵を描き続けられることになった。弁護士は「私のお古だが」と絵の具を彼にゆずる。ワルターも「ルンルンとの約束の絵を仕上げます」とほほえむ。セルジュは「この花が咲くころには外に出られますよ」とぜにあおいの種を渡した。
《管理人が斬る! この回のみどころ》
実直そうなワルターが○。生活のために意に沿わぬ絵を描かされて・・・パトロンがいないことには始まらない・・・芸術家の苦悩がうかがえます。画家の世界も大変だ。
肝心の「聖母子像」、個人的には「う~ん・・・それほどでも」って思ってしまった。すみません。
