第23話「幻の白馬の騎士」
放映日:1979年7月27日
舞台:ドイツ・ロマンチック街道沿いの城下町
花言葉:なでしこ「勇敢」
ゲストキャラ:マルガレーテ(貴族の娘) モーリッツ(悪徳高利貸し)
中世の面影を色濃く残す、ロマンチック街道を南へ下るルンルン達。
趣深い城に目をとめ、門扉越しにたくさんの花が植えられている庭をのぞく一行。
そこへ、女性の声が聞こえてきた。ただごとではないようだ。
「チカンだわ!」とルンルン達は門扉を乗り越え、城のなかに入り込む。
若い女性が脂ぎった小太りの中年男にからまれていた。ヌーボとキャトーは男に組み付き、女性を助け出す。女性の前にたちはだかるルンルンに、男は「俺の城に勝手に入ってきおって」となおもからもうとするが、女性は「まだお前の城ではない」とはねつける。
男はふところから出した城の権利書をちらつかせ「あと3日で俺様のものだ」と憎々しい笑みを浮かべ、去っていく。女性はルンルンに助けられた礼をいい、城の中へ案内する。
その様子を近くの木の上から覗いていたのはヤボーキ。どうやら女性に一目惚れした模様である・・・。
城の中では、城主・ブレンネルが金策に頭を悩ませていた。
そこにあらわれたのはさっきの憎々しい男、高利貸しのモーリッツだった。モーリッツは城を担保に法外な金利で金をどんどん貸し付け、あと3日で返済出来ないと城を乗っ取るとブレンネルに迫っていたのだ。モーリッツは借金の型に、娘のマルガレーテと結婚させるよう条件をだす。
ルンルン達が先ほど助けたのが、娘のマルガレーテだった。モーリッツとの結婚の話を聞き、「死んだ方がましです」と激しく拒絶する。部屋には両親の結婚写真が飾ってあった。父・ブレンネルは中世の騎士の格好、母は姫としてそばに寄り添っている。それを見て「私もお父様お母様のような幸せな結婚がしたかった」と涙にくれるマルガレーテ。キャトーは「何とかしてあげようよ」とルンルンにつぶやく。
執事のウェルナーから、騎士と姫の格好で結婚式をするのはブレンネル家のしきたりだと聞いたルンルンは、「馬上試合で決着をつければいいのよ!」と提案する。マルガレーテの婚約者となるには、馬上試合に勝つことを条件とすればいいと言うルンルンに、ウェルナーも「私は若いころは負け知らずでした」と目を輝かせ「町の人たちもきっと参加してくれますよ」と言うのだった。
馬上試合のポスターが街角に張り出された。集まった人々は口々に「日頃お世話になっているブレンネルさんのために出るぞ」と乗り気だ。人だかりの中にはヤボーキもいた。彼もまた、マルガレーテとの結婚を皮算用し、出場を決め込むのだった。
町の様子を2階の事務所からふんぞり返って観察していたのはモーリッツ。彼は町の建物の大半の権利を手に入れていた。さらに地位と名誉を得るために、ブレンネル家を乗っ取るために婿入りしようと計画し、金を貸し付けていたのだ。部下に「絶対負けないようにやってやるぜ」とうそぶく。
その夜、馬上試合出場について話している町の人の前にごろつきが現れた。家の権利書をちらつかせ、「家をとりあげられたくなかったら試合には出るな」と脅していく。
いよいよ馬上試合当日。ヤボーキは、「ルンルンが急に南に旅立った」とホテルのトゲニシアに電話をし、まんまとトゲニシアだけを出発させることに成功する。
馬の手入れをしているルンルンとウェルナーの所へ、マルガレーテが飛び込んできた。町の人が誰も出場しないのだという。動揺するマルガレーテをウェルナーは「私にお任せ下さい」となだめる。
モーリッツとウェルナーの試合がはじまった。モーリッツは馬を剣で打ち、ウェルナーを落馬させてしまう。その後も容赦なくウェルナーをいためつけ、審判のブレンネルはたまらず「勝負あった」の旗を掲げてしまった・・・。
「ここで婚約式を」とマルガレーテに迫るモーリッツ。「馬を打つなんて卑怯よ!」というルンルンの猛抗議も「勝負に卑怯もなにもあるものか。勝てばいいのだ」と鼻であざ笑う。ルンルンは会場に向って参加を呼びかける。しかし人々は家や土地の権利を型にゆすられているので、黙ってうつむくばかり。「勇気のある人は誰もいないんですか!」となおも呼びかけるルンルン。
万事休すと思われたとき、「マルガレーテ姫を助けにきた!」と黒馬にまたがった騎士が場内に現れた。
ルンルンはじめ人々は沸き立つが、ヌーボは「ちょっと太めの騎士だけどね」と冷静だ。
新たな騎士はモーリッツにワイングラスを差し出し、乾杯を申し入れる。モーリッツが注がれたワインを飲み干す間に、太めの騎士はこっそりワインを地面に捨てていた。
試合が始まった。はじめの勇ましさとはうって変わった態度できびすを返してモーリッツから逃げる騎士。「幻滅ね・・・」とがっかりするルンルン。ヌーボは「あの騎士、どこかで見たことがあるんだけどなぁ」と思案顔。
障害物を飛び越え、なおも逃げる黒馬。モーリッツも飛び越えようとするが・・・体の自由を失って落馬してしまう。乾杯のワインに痺れ薬がしこまれてあったのだ。
黒馬の騎士も馬から降り、「卑怯だぞ!」と抗議するモーリッツを「お前だって」とあざわらい、剣を抜いてとどめを刺そうとする。命乞いをするモーリッツの胸元から土地と城の権利書を奪い取り、黒馬の騎士はマルガレーテのもとへやってくる。
勇者として迎えられた騎士。兜を脱ぐと・・・なんとそれはヤボーキだった!絶句するルンルンたち。マルガレーテも言葉が出ない。
「ヤボーキが出てきたのはあたしたちにも責任があるわ」と、ルンルンは花の鍵で白馬の騎士に変身。マルガレーテがヤボーキに婚約指輪をはめられそうになっている所へ、さっそうと登場する。
ルンルンは追いつめられながらも、ヌーボとキャトーの機転も手伝ってヤボーキのしっぽを暴き出し、見事勝利を収めることができた。「またトゲニシアの部下に逆戻りだ~」と嘆きながら、ほうほうの体で逃げ出すヤボーキ。ルンルンはと言えば、マルガレーテたちには名前も告げずにその場を立ち去っていたのだった。
城には平和が戻ってきた。旅立つルンルンを見送って「あの白馬の騎士はルンルンだったのかもしれないわ」とつぶやくマルガレーテに、セルジュは「白馬の騎士とルンルンの思い出に」と、なでしこの種を渡した。
《管理人が斬る! この回のみどころ》
マルガレーテに一目惚れし、トゲニシアに反旗をひるがえすヤボーキ。トゲニシアにこきつかわれながら大臣をするよりも、ブレンネル家の婿になったほうが割がいいと考えてとった行動。勝者として兜を脱いだ時のマルガレーテの露骨な落胆はどうよと思うが、やっぱり「人は見た目」なのでしょうか・・・。
馬上試合のシーンはなかなかの迫力。
一代目「花の鍵」では、衣装が替わるのみで専門技能は身に付かない筈だが、華麗に馬を乗りこなし、剣を操るルンルンであった。
