第24話「奇跡の花の鍵」
放送日:1979年8月3日
舞台:ドイツアルペン山中
花言葉:コスモス「乙女のまごころ」
ルンルン一行は「七色の花」のうわさを聞いて、ドイツとオーストリアの国境地帯にそびえるけわしい山岳地帯・ドイツアルペンに分け入ってきた。
谷間に小さな村をみつけ、近づくと・・・
村人が「七色の花が咲いたぞ!」とうれしそうに叫びながらルンルン達の脇を走っていった。
その声を聞きつけて、その男性の周りに続々と村人が集まってきた。人々はみな喜びにあふれた表情だ。「これで今年の植林がうまくいく」と長老もうなずいている。「よし、木を植えに行こう!」とわきたつ村人たち。
ルンルンが花について確認すると、「花びらが七色に光っている一輪の花」なのだという。
ルンルン、ヌーボ、キャトー、そして物陰から様子をのぞき見ていたトゲニシアとヤボーキも、「今度こそ本当の七色の花が手に入る」と喜びを爆発させる。
ところが、ルンルンが七色の花のありかについてたずねた途端、村人たちの表情が一変した。ルンルンに背を向け、家に入って扉や窓を固く閉ざしてしまう。とまどうルンルンはなおも取りすがるが、長老は一言「七色の花はこの村の守り神だ。よそ者に教えるわけにはいかん」と冷たく突き放すのだった。
あきらめきれないルンルンは、植林に向う村の男たちの後を追いかけるが、足をすべらせて崖から落ちてしまう。膝をすりむいて痛さに顔をしかめる彼女に「傷によく効く薬草だよ」と木の葉を差し出し、手当をしてくれたのは、セルジュだった。
セルジュも「七色の花」のうわさを聞いて、撮影しようとここまでやってきたのだという。村人が場所を教えてくれないと嘆くルンルンを、セルジュは「2人で探せばきっとみつかるよ」と励ます。
セルジュと一緒に旅ができるとなって、うってかわって有頂天になるルンルン。花の鍵に「今日は大サービスで、一段とすてきに変身させてね」と願いをこめて、登山服に変身する。
ルンルンは大はしゃぎで、はりきって山道を進んでいく。ヌーボとキャトーはちょっぴりあきれ顔。
お互いの体をロープでつなぎ、一歩一歩歩む一行に、鷲が襲いかかってきた!とっさにカメラのフラッシュをたいて鷲を追い払うセルジュの機転に、ルンルンは大感激。
さらに歩を進めると・・・空にかかる霧のなかに浮かんだのは「七色の花」だった!
確かに花びらが美しく七色に光る、一輪の花だった。しかしその花は、影が反射して雲や霧に移る「ブロッケン現象」ではないかとセルジュは言う。
一行がふり帰ると、反対側の山の頂に、あかるく輝く光があった。「あそこだ!」一行はその頂を目指して再び歩き始める。
そこに立ちはだかったのはトゲニシアとヤボーキ。七色の花のありかがわかれば、もう用はないと、ルンルンたちを花粉風でふきとばしてしまう。高く舞い上げられるルンルン、セルジュ、ヌーボ、キャトー。
トゲニシアが高らかに笑い声をあげた瞬間、トゲニシアとヤボーキもはずみで足を踏み外し、下へと転がり落ちてしまう。
花粉風で巻き上げられたルンルンが不時着したのは、大きな滝の脇につきだした木の枝の上だった。セルジュ・ヌーボ・キャトーは、ロープでつながった状態で、すぐ近くの岩に引っかかり、宙づりになってしまう。眼下は滝壺。落ちたら一巻の終わり・・・。
セルジュ達をつないでいるロープはみるみる切れかかっていく。ルンルンは手をのばしてつかもうとするが、どうしても届かない。セルジュもまた手を伸ばすが、岩をつかむことができない・・・。
ルンルンは、対岸の草原で植林作業をしている村人たちに気づいた。そして、助けてもらおうとセルジュと共に声を出すが、滝の音にかき消されてしまう。
ルンルンは花の鍵の鏡で光を反射させて合図を送ろうと思い立ち、木の先端に進んでいく。重さでひびが入る枝を見たセルジュは「危ない!戻るんだ!」と声を上げるが、ルンルンは「あたしはどうなってもいいの!」とさらに先へ進んで手を伸ばし、花の鍵の鏡に光を反射させる。
次の瞬間、ルンルンをのせた木の枝が折れた!
滝壺に真っ逆さまに落ちていくルンルン・・・・
花の鍵は滝壺脇の岩に当たり、七色の光を発して粉々に砕け散ってしまった・・・・
その光に気づき、滝の方を見る村人達。宙づりになっていたセルジュ達は、村人達に引っ張り上げられ、助けられた。
「あの滝壺に落ちて助かったものはいない」と話す村人に「ルンルンが死んでたまるもんか」とセルジュは下流を探しに行く。ヌーボとキャトーも後に続く。
下流を探すヌーボとキャトーの所へ、ルンルンのポシェットが流れ着いた。「ルンルンは死んじゃったのか」と涙にくれる2人。
ルンルンは川底に沈んでいた。
そこへ、不思議な声が聞こえて来る。
「君にはまだこの地球上で美しく咲いていて欲しい・・・だから新しい花の鍵を君にあげることにした・・・ただしこの鍵を壊したら、フラワーヌ星へ行けなくなるどころか、地球でも生きていけなくなるのだ・・・君の命と思って、大切に・・・使うときはこう言いなさい・・・フレール フレール フレール・・・」
ルンルンは下流の岸辺で目覚めた。そこへヌーボとキャトーが駆け寄ってくる。3人は再会を喜び合うのだった。ルンルンは「不思議な夢を見たの。新しい花の鍵が・・・」と胸元を見ると、そこにはお告げ通りの新しい花の鍵がついていた。
ヌーボによると、それはフラワーヌ星の王家のしるしで、王家の者だけが持つことを許されるものだと言う。ルンルンはもうただの「花の子」ではなく、「花の精」として正式に認められたことになるのだと。
花の精の願いと期待が込められた花の鍵を手にし、再び「七色の花」のもとへ向おうと決意するルンルン。早速新しい花の鍵で登山服に変身する。
一方、ヤボーキもしわだらけのトゲニシアに命じられ、再び山を登っていた。
すごい勢いで山道を駆け上っていくルンルン。新しい花の鍵のパワーは、前に比べて強力なようだ。あっという間にヤボーキに追いつく。
抜きつ抜かれつ、とうとう花のある山の頂のくぼみに到着し、2人が同時に花に手をのばすと・・・
花は、ただの白い花に変わった。
周囲の水晶の結晶が光を反射し、白い花びらを七色に輝かせていたため、光を遮られると元の白さに戻ってしまうのだ。それを見たヤボーキは地団駄を踏み、そのはずみで再び崖から転がり落ちていく。
「もっと美しく輝くようにしてあげましょう」と、ルンルンはハンカチで周囲の水晶のチリをはらう。七色の光はより一層美しさをまし、花を輝かせるのだった。
そのとき、花の鍵が点滅し、ルンルンは元の姿に戻ってしまう。絶壁を見て目がくらみ、足を踏み外しかけたルンルンを支えたのはセルジュだった。
「新しい花の鍵は強力だけど、制限時間があるようだ」「むやみに使えないな」と話し合うヌーボとキャトー。
村人達に別れを告げ、旅立つルンルン。「あの滝壺に落ちて助かるなんて・・・しかも七色の花はさらに美しく輝くようになったし」と人々は不思議がっている。
セルジュは助けてもらったお礼とルンルンの思い出にと、村人にコスモスの種を渡した。
《管理人が斬る! この回の見どころ》
花の鍵が切り変わる、ターニングポイントのエピソード。
作品全体の見どころとして、「一話完結でありながらも全編をつらぬく大きな流れ」がしっかり設定されている点があげられ、
(まるで「水戸黄門」のよう・・・ルンルンは黄門様、ヌーボとキャトーは助さん格さん、セルジュは風車の弥七!?)
製作サイドの緻密な構成力がうかがえる。
セルジュの登場も全編に渡っている。「不思議な声」はもちろん水島さんなので、「この人はもしや?」と大きなヒントを提示。飽きさせずに興味を持続させる工夫が凝らされている。
