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第25話「ナイフを持った湖畔の少年」

放送日:1979年8月10日
舞台:スイス・レマン湖の湖畔
花言葉:ジギタリス「不誠実」
ゲストキャラ:ピーター(旅芸人、ナイフ投げの名手)、リリアン(ピーターのいとこ)、リリアンの父母(旅芸人一座の座長)

新しい花の鍵を授かったルンルンは、ヌーボとキャトーと共に、スイスのレマン湖にやってきた。
避暑地として名高いこの湖畔には、金持ちの別荘が並び、たくさんのヨットが湖上に浮かんでいる。

「乗ってみたいわ・・・」とつぶやくルンルンに、桟橋につながれている一隻のヨットから、一人の少年が「乗りませんか」と声をかけてきた。すぐさまヨットに乗ろうとするルンルンだったが、ヌーボとキャトーに「危ない目にあったらどうするんだ」と止められてしまう。

そこへ現れたのはトゲニシアとヤボーキ。「花捜しに出発しろ」と言い残し、さっさとその少年のヨットに乗り込む。帆をあげたヨットはあっという間に湖面をすべるように進み出した。

茫然とするルンルン。その一部始終を、他のヨットの甲板に寝ころんでナイフをもてあそびながら聞いていた別の少年が、「俺のヨットに乗らないか」と声をかけてきた。さきほどの少年のことは「金持ちのボンボンさ」と小馬鹿にした様子だが、申し出に喜ぶルンルン。「もう止めてもムダよ」とヨットに乗り込んだ。ヌーボとキャトーも「さっきの人よりも頼りがいがありそうだ」と同乗する。

ヨットは岸を離れ、湖面を進み出した。話しぶりからすると、彼もどうやら湖畔の別荘に滞在しているらしい。「別荘暮らしなんてあきあきさ」と調子よくのたまう。

そこへ、横から強い風が吹いてきた。とたんに慌てはじめる少年。操縦に不慣れな様子をいぶかしがるルンルンに、彼は「いつもはヨットマンに操縦させているから」と言い訳をする。ヨットは大きく傾き、転覆の危機に・・・!

そのとき、不意にヌーボが湖に飛び込んだ。そして、水面に浮かんでいた白い花をくわえてもどってきた。ルンルンはすかさず「フレール フレール フレール」と呪文を唱え、水兵ルックに変身する。

あっけにとられる少年を尻目に、見事にヨットをあやつるルンルン。ふたたび順調なセーリングに戻った途端、少年はもとの調子よさに戻り、ルンルンの名前を聞いた後にピーターと名乗る。そしてなげやりに、「もっと沖へ行こうぜ」とけしかける。横ではトゲニシアが「もっと沖へやりなさいよ」と舵をとるロバートという少年にけしかけている。

ルンルンは花の鍵を見つめ(制限時間がきたら元にもどってしまう)と心配し「もう戻りたくなったの」と岸に引き返しはじめた。
しかし、ルンルンの心配は的中してしまった。桟橋にたどりつく直前に、花の鍵のパワーが切れてしまったのだ。操縦能力を失ってしまったルンルンは、ヨットを桟橋に激突させてしまう。その勢いで、ピーターは岸に放り出された。

彼は右腕を痛めたらしい。かなり痛がっている。ルンルンは謝り、傷つけたヨットのことを心配するが、ピーターはヨットのことなど意に介さず、ルンルンの肩を借りて町中へと歩き出す。
その様子を、一人の老人がいぶかしげに見つめていた。

「別荘まで送る」というルンルンの申し出を「ここでいい」と断るピーター。そこへ一軒のホテルから出てきた一人の少女が声をかけてきた。
リリアンというその少女の言うことには、ピーターはリリアンのいとこで、リリアンの父が率いる旅芸人一座のナイフ投げの芸人なのだという。リリアンは「またでたらめを言ったのね」とピーターをたしなめるが、ピーターはどこ吹く風。

滞在しているホテルの部屋でピーターは腕の手当をしてもらうが、激しく痛がる。今日のショーにはとても出演できそうもないと判断したリリアンの父は「契約違反で出演は取りやめにさせられるかもしれない」とつぶやく。事態の深刻さにルンルンは、「ピーターの代わりに何かできないでしょうか」と申し出、それを聞いたピーターは調子よく「ルンルンに頼めばいい。出し物を変えれば平気なんじゃないか」と言い出し、リリアンの父もそうかと思い直す。リリアンに「学芸会じゃないんですからね」とちょっぴり釘を刺されながらも、ルンルンは「何でもやります!」と張りきるのだった。

夕方になり、別荘の中庭では一座のショーが始まった。そこでルンルンに与えられた「代役」とは、何とナイフ投げの的だったのだ!
リリアンの父とリリアンの投げるナイフに、何とか一度は的をつとめたルンルンだったが、運悪く現れたのは、ピーターを追いかけてきたトゲニシアとヤボーキ。
ルンルンをみつけるとヤボーキはやじを飛ばし始めた。「目隠しして投げてみろ~!」
「そのくらい出来なければ出演料なんてもらう資格はないわ!」と加勢するトゲニシア。
他の観客もざわめきはじめ、リリアンの父は意を決する。

一方、ホテルの部屋ではピーターがベッドに寝ころんで悠々とリンゴをかじっていた・・・。

リリアンに「パパは前にもやったことがあるから」と諭され、恐怖におびえながら再び的になるルンルン。リリアンの父の手元も震えている。ナイフが一本投げられた所で、とうとうルンルンは耐えきれずに舞台の袖に駆け込み、泣き伏してしまった。

ショーは中断してしまった。司会のリリアンの母はリリアンが的になることで何とかその場を取り繕うとするが、「ルンルンを出せ」とますます口汚くヤジを飛ばすヤボーキ、トゲニシア。ルンルンは、咄嗟に舞台装置の上にあった花束で玉乗りに変身。ヌーボとキャトーとともにステージに戻る。
ルンルンたちのユーモラスな玉乗りに、ピーターは率先して声援を送り、会場の雰囲気は一転、拍手喝采。トゲニシアとヤボーキは不愉快そうに会場を出て行く。

ホテルに戻った一行は口々にルンルンにお礼を言うが、ピーターは「俺が出ていればもっと受けた」とうそぶく。その時部屋に入ってきたのは、昼間、ヨットの座礁を目撃していた老人とヨットの持ち主の執事だった。結局、その日の出演料はヨットの弁償代としてすべて持って行かれてしまった。ピーターはルンルンのせいにするが、リリアンの父と母はピーターの無責任な行動を責めるのだった。ルンルンは「仕事を取ってきます」とあちこちのホテルを尋ね歩く。

ロビーの花をさりげなく直すルンルンの姿に心を動かされた支配人のホテルで、ようやく仕事が決まりかけた。ルンルンは喜び、一座は支配人にあいさつに行く。しかし支配人はピーターの顔を見て、「残念だがこの話はなかったことにしてくれ」と告げる。その支配人はかつてドイツのホテルで支配人をしており、そのとき、平気で遅刻をした上に粗暴な態度を取ったピーターの振る舞いを覚えていたのだった。

意気消沈して再びホテルの部屋に戻ってきた一行。リリアンの父は「だから普段から信用をなくすようなことはやるな言っているだろう」とピーターを責めるが、彼は「こんな所であいつに会うなんて」とふてくされ、壁の的にナイフを投げる。腕を痛めてナイフが投げられないというのはウソだったのだ。
茫然とする一行。
「あなたを信じていたのに」というルンルンをピーターは「偶然出会った人間を信用するお前が馬鹿なのさ」と突き放す。

悲しさのあまり思わずホテルの部屋を飛び出したルンルン。ヌーボとキャトーは旅立ちをうながすが、「このままではピーターのようにいい加減になってしまう」と涙をぬぐうルンルンの傍らに、ピーターの不実を表すかのように、ジギタリスの花が咲いていた・・・・。(つづく)


《管理人が斬る! この回の見どころ》
初の前後編バージョン。とにかくピーターのいい加減さに腹が立ちまくり! ということは、それだけ的確なキャラ設定&担当声優・古川登志夫さんの演技力のすばらしさが際だっている、ということ。
あまりの後味の悪さに「ルンルン立ち直れるのかしらん・・・」と本気で心配してしまいます。
「今週の花言葉」の花の登場に、セルジュさんがからんでいないのもポイント。


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