第26話「泥にまみれた愛の涙」
放送日:1979年8月17日
舞台:スイス・レマン湖畔
花言葉:アザレア「愛されることを知った喜び」
ゲストキャラ : ピーター、ロバート(別荘に滞在している少年)、アンナ(車いすに乗っているロバートの妹)
(第25話よりつづく)
ルンルンがやっと見つけてきた仕事も、ピーターの不実が原因で流れてしまった。
ホテルの部屋で暗澹たる雰囲気のリリアンの家族を尻目に、壁の的に向ってふてくされたようにナイフを投げ続けるピーター。ホテル代も払えない状態に対しても「荷物をまとめてこっそり抜け出せはいいんだ」と無責任に言い放つ。
その姿にリリアンはいらだつが、とにかく仕事を探そうと出かけるルンルンだった。
ヌーボとキャトーは「もう十分やることはやった」とルンルンに出発をうながすが、「ヨットとの修理代として持って行かれてしまった出演料を返さないと」と食い下がるルンルン。
そこへ、馬に乗ったロバートがやってきた。
彼はルンルンを自分の別荘に誘うが、「仕事を探さないと」と断るルンルン。それを聞いたロバートは、別荘で今夜行われるガーデンパーティーで仕事があるかもしれないと申し出る。「パパに頼んでみるよ」と、ロバートは引き返していった。
喜びに沸くルンルン一行の前に現れたのはトゲニシアとヤボーキ!
2人はルンルンとロバートのやりとりを木陰で盗み聞きしていたのだ。ロバートの自分とルンルンに対する態度の違いへの嫉妬も加わって、トゲニシアは「早く花捜しに行きなさい!」と花粉風を巻き起こす。ヤボーキは「顔にシワが~」と必死で止めるが、後の祭りだった・・・。
ここで飛ばされるわけにはいかないと、必死に近くのシャクナゲの木にしがみつくルンルン達だったが、抵抗空しく、根こそぎ花粉風の竜巻に巻き上げられてしまった。
ロバートは別荘に戻り、父にパーティーへの一座の出演を頼む。父は快く承諾し、傍らの車いすの少女・アンナにも「楽しそうじゃないか」と水を向ける。しかしアンナは「そんなの見たくないわ」と背を向けて部屋から出て行ってしまう。
ロバートの妹・アンナは、自分が車いすであることで、みんなから好奇心や同情の目で見られるとかたくなに思いこんでおり、心を閉ざしていたのだ。
花粉風に流されていたルンルンだったが、シャクナゲの花に花の鍵の光を当て、パラシューターに変身。風に乗って、元の場所に戻り始めることに成功する。
守備良く元の場所に戻れたと思いきや、木の枝にパラシュートが引っかかってしまった。地面まではかなりの距離がある。ここで花の鍵のパワーが切れたら、地面に叩きつけられ、一巻の終わり・・・。ルンルン・ヌーボ・キャトーは大声で助けを呼び始める。
ピーターは相変わらずすねた様子で、湖畔でナイフを弄んでいた。そこへセルジュが現れ、「君のナイフ投げの力を借りたい」と持ちかける。
ピーターは木に引っかかっているルンルンのパラシュートのロープめがけてナイフを投げ、次々にロープを切っていく。花の鍵が点滅し始めた!すんでの所でパラシュートは木から解放され、地面に軟着陸すると同時にルンルンは元の姿に戻った。
ピーターにお礼を言うルンルン。ピーターはセルジュから頼まれたと言って、「一稼ぎしたぜ」と紙幣をちらつかせた。ルンルンは「セルジュさんからお金を取ったのね・・・!」とショックを受けるが、ピーターは「ナイフ投げは俺の仕事だからな」と悪びれる様子もない。
そこへロバートが戻ってきた。ガーデンパーティーの仕事が決まったというのだ。ルンルンはピーターに「仕事が決まったわよ」と言うが、彼は「金持ちのお坊ちゃんのお情けなんかいらねえや」と、ますますひねくれた態度を取るのだった。
その一部始終をのぞいていたヤボーキは、ホテルの部屋で顔をパックをしているトゲニシアに報告。「何としてでも邪魔をするのよ!」と命令される。
夕方になり、一座はロバートの別荘へ入った。まずはパーティーを楽しむようもてなされたリリアンの父母は喜び、「ルンルンの明るい性格が友だちを作るんだ」とルンルンをほめる。傍らで一人食事をはじめていたピーターは「どうせ旅から旅の生活で、友だちなんかいらねえや」とうそぶく。
ロバートは、「妹を外に連れ出して欲しい」とルンルンをアンナの部屋に連れて行く。しかしアンナも相変わらず頑なな態度で、兄とルンルンを追い返す。
「同情や好奇心の目でみられるのはもううんざり」と、車いすを動かし、部屋から出て行く。
ショーの準備が整い始めていたが、ピーターも別荘から姿を消していた。
森で木を的にナイフ投げをするピーターとアンナは出会い、周囲が自分を見る目に対して不満を持っていることに共通点を見いだし、心を通わせ始める。
ピーターは張り切ってアンナにナイフ投げを見せる。喜ぶアンナの姿を見て、ピーターは笑顔になるのだった。
アンナの車いすを押して、談笑する2人。丘の上に咲く百合に見とれるアンナを見て、ピーターはナイフを投げ、見事百合を少し離れた地面に落とす。百合を取りにかけだしたピーターは、次の瞬間、泥に足を取られてしまった。
そこはただのぬかるみではなかった。「底なし沼」だったのだ!みるみるうちに沈んでいくピーター。アンナも車いすから降り、手をさしのべるが・・・あえなく底なし沼にはまってしまう。大声で助けを求める2人。
別荘ではショーの準備が着々と進んでいた。そのとき、ヌーボの耳が助けを呼ぶ声をとらえる。一旦は「気のせいよ」と言うルンルンだったが、ロバートから「アンナがいない」と聞くと、「声のした方へ案内して!」と走り出す。
ヌーボの先導でたどりついた底なし沼では、ピーターとアンナが今にも飲み込まれそうになっていた。ルンルンは息を飲むが、すぐさま花の鍵できこりに変身、斧で木にからみついているツルを切り、ロープがわりに2人を助け出した。
ピーターとアンナは手を取り合って喜び、ピーターは「アンナにショーを見せたいんだ!」と瞳を輝かせるのだった。
ロバートの別荘で行われたショーは大成功、ルンルンも玉乗りやナイフ投げの的として盛り上げた。アンナはピーターに声援を送り、その姿を見てアンナの父は娘の変化に胸をあつくするのだった。
ショーの邪魔をすることができなかったヤボーキは、パック姿のトゲニシアにさんざん叱られ、椅子をぶつけられて気絶する。
一座が出発する日がやってきた。ルンルン、ピーター、アンナ、ロバート、リリアンは友情の証として湖畔にケルンを積んで、友情を確かめ合うのだった。
「友だちができた記念に」と、セルジュはピーターにアザレアの種を渡した。
《管理人が斬る! この回のみどころ》
周囲からの疎外感を感じ、本当は淋しいピーターの心情が所々で描かれるが、湿っぽく持って行かないところがポイントか。でも、個人的には底なし沼からルンルンに助け出された時に、ひとことお礼を言って欲しかったなぁ。すぐに「アンナに俺のナイフ投げを見せたいんだ! ルンルン、準備してくれ!」って言われても。ルンルンはすぐに「オッケー!」と快く応じるが、管理人はとてもそうはいきませんって。まあそこも、素直になれないピーターの設定にのっとった、セリフとはうらはらな表現と考えて納得、ということで。
前編であれほどナイフ投げの的を怖がったルンルンも、後編では平気の平左である。
トゲニシアとヤボーキは、ほとんど出番なし。
