第28話「奪われた手紙」
放送日:1979年9月7日
舞台:スイス・マッターホルンの麓の小さな村
花言葉:あやめ「良き便り」
ゲストキャラ:マックス(父の汚名を晴らそうとしている少年)、ゲスラー一味(凶悪な強盗団)
ルンルンたちは、スイスのある小さな村の郵便局に急いでいた。
フランスのおじいちゃん、おばあちゃんからの手紙が、局留めで届いているはずなのだ。
ルンルンが胸を弾ませて局員から手紙を受け取ろうとしたその時、郵便局に3人組の強盗が押し入ってきた!
ルンルンに手渡そうと局員が持っていたフランスからの手紙は床に落ち、札束とともに強盗団の袋に詰め込まれてしまう。
強盗団は郵便局を飛び出し、近くの駅に停まっていた汽車に飛び乗り、逃走した。ルンルン・キャトー・ヌーボは、手こぎのトロッコで汽車の後を追いかける。
トロッコは下り坂を猛スピードで駆け抜け、強盗一味が乗った汽車に激突して停まった。衝撃に草原に投げ出されるルンルンたち。そこには、強盗がかけていたサングラスが落ちていた。
ヌーボの鼻を頼りに、強盗団のひそんでいる小屋をつきとめた。中からは一味が金を山分けしようとする声が聞こえてくる。
「いくわよ!」のルンルンのかけ声に、ヌーボとキャトーは飛び出した。しかしルンルンは、背後から何者かの手によって取り押さえられてしまう。
次の瞬間、ヌーボの足が小屋の前に仕掛けられていたワナにはさまれてしまった。悲鳴をあげるヌーボ。その声に気づいた強盗団は、荷物をまとめて馬に乗り、さらに別の場所へと逃げ出した。
ルンルンを取り押さえたのは少年だった。ヌーボの足にはさまったワナを乱暴に外すと、こともあろうに「このマヌケ!なんで飛び出してきたんだよ!」とヌーボに足蹴りをくらわす。ワナは強盗団をつかまえようと少年がしかけたものだった。
ルンルンも、手紙を取り戻すために強盗を追いかけていたのだと話すと、少年は「手紙なんて」と鼻で笑う。ルンルンは少年の頬を打ち、自分にとってフランスのおじいちゃん・おばあちゃんからの手紙がどれほど大切なものかを涙ながらに訴える。そんなルンルンの真剣な態度に気圧される少年。
そこへ馬が一頭戻ってきた。少年は強盗団をおいかけようと馬に飛び乗るが、それは手のつけられない暴れ馬で、振り落とされてしまう。
ルンルンは花の鍵を使ってジョッキーに変身。見事馬を手なづけると、ヌーボとキャトーも馬に乗せた。慌てて少年も乗せてくれと頼む。「定員オーバーよ!」と一旦は断るルンルンだったが、「あいつらの行先がわからないだろう」と少年に言われ、2人と2匹で強盗団を追いかけることに。
マックスというその少年は馬上で自分の身の上を話す。あの3人はゲスラー一味という凶悪な強盗団で、2ヶ月前、マックスの父が警備をしていたスーパーに押し入り、マックスの父は重症を負わされた。しかも、周囲はマックスの父がゲスラーたちの手引きをしたなどという心ない見方をしているのだった。マックスは父の汚名を晴らすため、2ヶ月に渡ってゲスラー一味を追いかけているのだ。
2ヶ月間、家に全く連絡をしていないというマックスに、ルンルンは手紙を書くように言う。
山道を馬で走る一行の頭上に、ヘリコプターが現れた。プロペラの音に驚いた馬は激しくいななき、花の鍵も点滅し始めた。制限時間が迫ってきている!とうとう一行は馬から振り落とされ、ルンルンも元の姿に戻ってしまった。
着陸したヘリコプターから降りてきたのは、トゲニシアとヤボーキ。二人はマックスに「ゲスラーを追いかけよう」と援助を持ちかけ、ヘリに乗るようにうながす。ルンルンは止めるが、父の復讐に燃えるマックスは耳を貸さず、ヘリコプターに乗り込む。飛び上がるヘリの足に、咄嗟にキャトーが飛びついた。「手紙を取り戻してくるよ」と言い残し、空に舞い上がるキャトー。
足を痛めたヌーボを背負って、ヘリコプターを追いかけるルンルン。ヘリコプターは、花の写真を撮影していたセルジュの頭上を通過していった。
マックスはゲスラー一味の乗っていた馬がつながれている家をみつけた。ヤボーキはヘリコプターを家のそばに着陸させる。
音に気づいて飛び出してきたゲスラー一味。手に手に鉄砲やピストルを持っている。マックスはヤボーキにも加勢をうながすが、トゲニシアとともに態度を一転。「ルンルンと引き離したかっただけなのさ」とさっさとヘリに乗り込み、マックスを置き去りにしてしまう。
マックスは捕らえられ、家の地下室に閉じこめられてしまった。キャトーは地下室の扉を何とか開けようと床をひっかくが、ゲスラーの子分に見つかってしまう。
マタタビを食べさせられ、へろへろになりながらも、キャトーは「ルンルンに知らせなきゃ・・・」とよろよろと歩き出した。
ヌーボを背負い、夜の森を歩くルンルン。目の前の草むらが大きく揺れ、「オオカミ!?」とおびえるルンルンとヌーボの前に倒れ込んだのはキャトーだった。
翌朝、マックスが捕らえられている家の前。ルンルンはキャトーにマックスに宛てた手紙を託す。キャトーが扉の隙間から差し入れた手紙には「友情の名のもとにあなたを助けます」と書かれていた。手紙を読んでルンルンのことを思い出し、心を動かされるマックス。
ヌーボとキャトーは室内の物陰に隠れ、ゲスラーたちに対して脅しの言葉を叫ぶ。声はすれども姿が見えない相手を一味が外に探しに行った隙に、ルンルンは地下室の扉をこじ開け、マックスを助け出す。札束と共に奪われた手紙が入っている袋を見つけ、運びだそうとしたその時、ゲスラーたちも戻ってきた。「幽霊の声だ」と恐れをなし、また別の所へ逃げ出そうという算段だ。一味は「泥棒!」とルンルンの手から袋を取り上げる。「どっちが泥棒なのよ!」と息巻くルンルン。
一味は裏手の岩山に昇り始めた。ルンルンは花の鍵でウィリアム・テルに変身、ゲスラーの子分の銃口めがけて矢を放ち、暴発させて見事退治。残すはゲスラー一人となったが、敵もさる者、ルンルンが矢を放つと同時にゲスラーの銃弾が弓矢をはじき飛ばし、はずみで元の姿に戻ってしまった。
金を手に入れたと確信して高らかに笑うゲスラーだったが、次の瞬間、ルンルンの放った矢が頭上の岩に当たり、砕け落ちてきた。ゲスラーは足を踏み外し、谷底へ真っ逆さまに落ちていく。
ルンルンの手紙と札束は宙に舞った・・・。
マックスは断崖にしがみつき、ルンルンの手紙を受け取ろうと手を伸ばすが、手紙はマックスの手を逸れてしまった。茫然とするルンルン。マックスは「ルンルンのおかげで手紙の大切さに気づいたのに」と悔やみ、ルンルンに誤る。その手紙を下で受け取ったのはセルジュ。後ろには警官隊も控えていた。
セルジュはルンルンに手紙を渡した。ルンルンは夢中で手紙を読み始めるのだった。
セルジュルはマックスに、「友だちと二人で悪い奴らをやっつけたと手紙を書くといいよ」と便せんと封筒、ペンを渡し、「この球根も一緒に送って」と、アヤメの球根を渡した。
《管理人が斬る! この回のみどころ》
手紙の持つ重要性が切々と訴えられていて、改めて「手紙を書いてみようかなぁ」と思わせてくれる回。ケータイ・メール主流の現代では、なかなか機会が減ってしまったけれど。
ゲスラー一味がところどころで「悪党」に関するうんちくを差し挟むのがおもしろい。「悪党の連携はヒューマニズムよりも強い」とかなんとか。彼は彼なりにポリシー持ってやってるってことなんでしょう。
トゲニシアとヤボーキは「悪党の鑑」なんですって~!
マタタビを食べさせられて、ふらふらになるキャトーが可愛いです。
マックスの声は鈴木れい子さんが担当。前半は「ちょっと力入りすぎ?」って感じで、個人的には少々鬱陶しかった(すみません^^;)。
