第29話「飛行船ただいま漂流中」
放送日:1979年9月14日
舞台:スイスのある小さな飛行場、飛行船内
花言葉:はしばみ「仲直り」
ゲストキャラ:モーリス(飛行船の持ち主、モラン商会の御曹司)
シルバン、アンリ、ヘッダ(モーリスの遊び仲間)
夜明け間近の、スイスのある小さな飛行場。
ルンルンは飛行船を見つけ、「乗ってみたいわ!」と、ヌーボとキャトーが止めるのも聞かずに乗り込む。傍らには見張り役の小太りの少年・アンリがいたが、居眠りをしていた。
船内に入ったルンルンを待ち受けていたのは、ヤボーキだった。「花色の花の手がかりをみつけたんだろう!」と詰め寄るヤボーキとあわてて否定するルンルンのやりとりでアンリが目を覚まし、二人を降ろそうとするが、逆にヤボーキの傘にどつかれ、タラップから転げ落ちてしまう。
地面に転がるアンリを見下ろしていたのは、モラン商会の御曹司・モーリスと遊び仲間のシルバン、ヘッダだった。アンリはモーリスに居眠りしていたことを謝るが、モーリスは取り合わず、船内に乗り込む。モーリスは居丈高な態度でヤボーキとルンルンに降りるように命じるが、ヤボーキははねつける。動揺するルンルンを尻目に、二人はつかみ合いをはじめる。居眠りを責められたアンリもヤボーキを突き飛ばし、バランスを崩したヤボーキは、操縦席にぶつかり、そのはずみで操縦レバーを引いてしまった!
上昇をはじめる飛行船。「運転手がいないんだぞ!」とうろたえるモーリス。女の子ヘッダは不安のあまり泣き出してしまった。「お前たちが全部悪いんだ!」とモーリスに責められ、唇をかむルンルンだったが、「SOSだわ!」と無線機に呼びかけを始めた。ヤボーキもトランシーバーでトゲニシアに呼びかけ始める。電波が混線し、モラン商会の地上の受信地の係員もわけがわからない。トゲニシアも「なんなのよ!」と困惑。混線にいらだったヤボーキは、無線機にトランシーバーを投げつけ、そのはずみで通信が途絶えてしまう。
「飛行船が行方不明になったらしい」という係員からの報告を受けたモーリスの父・モラン商会の社長は、捜索の手配の前に、テレビや新聞に知らせろと言う。創業30周年記念に購入した飛行船が行方不明とニュースにすることで、会社の宣伝になるというのだ。
崖にぶつかった衝撃で上昇する飛行船。アルプス山麓で花の写真を撮影していたセルジュは、飛行船の中にいるルンルンを見つける。
天候が荒れてきた。稲妻が光り、風雨にもまれ、大きく揺れる飛行船。恐怖に悲鳴をあげる一堂。ルンルンはみんなに謝り、「あたしが何とかするわ」と神に祈るのだった。そんな彼女の姿にさえ悪態をつくモーリス。
大きく揺れたはずみで、ルンルンとアンリが無線機にぶつかり、再び通信が再開された。モーリスは地上に呼びかけ、ヒステリックに助けを求める。地上の監視員はモーリスに落ち着くようにと呼びかけるが、モーリスは冷静になれない。息子の声を聞いて、モラン商会の社長も事態の深刻さを悟るのだった。「あたしがやってみるわ」とルンルンは操縦席に座る。
ルンルンは見事バラス(重り)を放して、船体を上昇させることに成功した。しかし、飛行船内では、4人の仲間割れがはじまっていた。「パパが助けに来てくれる」というモーリスに「どうせお前だけだろ」とシルバンが言う。ヘッダは「パパのふるさとのスウェーデンに連れて行ってくれる筈だったのに・・」とつぶやく。「アンリもヘッダもモーリスが金持ちだから一緒にいるだけなんじゃないのか」となおも言いつのるシルバンに、モーリスも食ってかかろうとすると、それを止めたのはルンルンだった。
操縦桿を握りながら、ルンルンは、仲間と一緒のバカンスにあこがれていたのだとしみじみ語る。ずっと一人旅の自分には、みんなと一緒のキャンプファイヤーや夜を徹しての楽しいおしゃべりには縁がないのだとあきらめていたのだった。しかし、この飛行船での旅が、素敵なバカンスになればいいと彼女は願うのだった。
次の瞬間、車輪が氷河にひっかかり、飛行船は止まる。そこへヘリコプターが近づいてきた。縄ばしごが窓の外に見える。モーリスの父が救助にやってきたのだ。しかし助かるのは一人だけ。モーリスは「パパが助けに来たのはボクだ!」と言い張るが、ルンルンは「女の子が先よ」と制し、ヘッダにキャトーをたくそうとする。しかしキャトーは「ルンルンと一緒だよ!」とルンルンにしがみつく。
そんな仲違いを尻目に、まんまとヤボーキがモーリスに変身し、扉を開けて縄ばしごに飛び移った。そのはずみで飛行船はバランスを崩し、急降下しはじめた。モーリスの父は息子の偽物だと知ると、ヘリコプターから振り落とそうとするが、ヤボーキはしぶとく縄ばしごにしがみつき、モーリスの父は頭を抱える。
ルンルンの必死の操縦で船体は何とか体勢を立て直した。しかし船内は次第に寒くなってくる。高度計は上空3000メートルに届こうとしていた。このままではみんな凍えてしまう。ルンルンはガス袋に穴を開けようと思い立ち、カバンからナイフを取り出し、船外に出ようとする。「ボクがやるよ!」と申し出たのは気の弱いアンリだった。ルンルンの制止をふりきってガス袋にとりつくアンリ。ルンルンも手を貸そうと外に出る。それを見たシルバンもアンリを支え、最後までためらっていたモーリスも加わる。みんなの協力で、アンリは見事ガス袋に穴を開けた。
地上のセルジュは、ジープをチャーターして、飛行船の後を追いかけていた。手には花を持っている。
飛行船は高度を下げはじめた。「袋に穴が空いたときのことは教えてもらってないわ・・・」とルンルンはとまどい、「こんな時に花があれば・・・」と窓の外を見ると、花をくわえたハトが飛行船と並ぶように飛んでいた。「セルジュさんだわ!」とルンルンは瞳を輝かせ、早速花の鍵で飛行船のパイロットに変身する。
ルンルンは「ここはバルト海上空、ヘッダのパパのふるさと、スウェーデンよ!」とすっかり余裕でガイドをしつつ、無事飛行船をスウェーデンの飛行場に着陸させた。
笑顔で別れる一行。セルジュはモーリスたちに、はしばみの木の苗を渡した。
《管理人が斬る! この回のみどころ》
ゲストキャラが多く、なかなか文章化に苦労しました^^;
太っちょのアンリはぐずでものろまな使いっ走りタイプ。ガス袋に穴を開ける役目を買って出る理由は、シルバンによって「アンリはルンルンのことが好きなんだ」と説明ゼリフが入る。
モーリスとシルバンの対比が今ひとつ弱い気もするが、そこは大目に。
全体的に動画のトレース線が荒い気がする。キャラのデッサンも狂いがち・・・中盤に入って、スタッフの疲労もピークに達していたのか!?(こりゃ見どころっつーか、何というか・・・)