第30話「真夜中の回転木馬」
放送日:1979年9月21日
舞台:スウェーデン、ストックホルムの町はずれの遊園地
花言葉:シネラリア「いつも喜びに満ちて」
ゲストキャラ:ソフィア(自分に自信が持てないピエロの少女)
漂流する飛行船に乗ってスウェーデン・ストックホルムに到着したルンルン一行。
町はずれの遊園地で七色の花捜しをするが、やはりここにもなさそうだった。
「せっかく遊園地に来たんだから」と、気分を変えて園内をめぐる一行の目にとまったのは、ショーが行われているステージだった。
足を止めて見入ったものの、ステージでは無表情のピエロがもの悲しげな音楽に乗って、人形と単調に踊っているだけ。
せっかく集まった家族連れも、「つまらない」とどんどんその場を離れてしまう。ルンルン達も「これだけ笑えないピエロも珍しい」とあきれる。
そこへ慌てて飛び出してきたのが、一座の団長らしき男。「まだ新米ピエロなもので」と愛想笑いをふりまき、ピエロを引っ込めてマジシャンを登場させる。マジックでようやく場は盛り上がるのだった。
ステージ裏手の一座の控えテントの中では、ピエロが団長に叱責されていた。団長は「ちょっと言葉遣いを注意されたくらいでふてくされて」とピエロを責め、「お前の父さんは熱があっても立派に舞台をつとめあげた」とピエロの父親を引き合いに出す。ピエロは無表情なままだったが、たまらず人形を抱えてテントを飛び出してしまう。
ステージでは華やかなアクロバットが行われていた。歓声をあげるルンルンに、紫色のドレスを身にまとった神秘的な雰囲気の一人の女性が声をかけてきた。女性は一座の占い師だと言い、ルンルンの運勢を占ってあげると持ちかける。少し躊躇するルンルンだったが「恋占いもできる」と言われ、目を輝かせるのだった。
薄暗いテントの中で水晶占いをする女性はルンルンの運勢を占う。「何か大きなことを成し遂げたときに、幸せな恋の相手がはっきりわかる」と言われたルンルンは、(七色の花がみつかったときだわ)と胸をときめかす。占い師はさらに、「今夜一時に回転木馬の前で不思議なことが起こる」と告げる。それを聞いたヌーボとキャトーは、「七色の花に関係したことかも」と考える。
その一部始終を立ち聞きしていたのがヤボーキ。さっそくトランシーバーでトゲニシアに報告するが、次の瞬間、ジェットコースターにはね飛ばされる・・・!
その夜、ビクつきながらも真夜中の遊園地にやってきたルンルンたち。午前一時の鐘の音にビックリして腰を抜かすが、同時に回転木馬に電気が灯り、動き始めた。
木馬の1つには、昼間のピエロのショーで見かけた人形が乗っていた。慌てて駆け寄るルンルン達に、人形はソフィアと名乗り、呪いがかけられているため、昼間は人形の姿で自分の気持ちが言えず、ずっと友だちが欲しかったと涙ながらに語る。ソフィアはルンルンの名前を知っていて、「今夜はあたしと遊んでくれるんでしょ」とたずねる。驚くルンルンに彼女は「占い師のおばさんと話しているのを聞いちゃったの」といたずらっぽく笑う。
「私も花の精の血を引く女の子よ」とお互いの境遇の不思議さを理解したルンルンは、キャトーのすすめもあって、ソフィアと一晩中遊ぶことを約束する。ルンルンに飛びついて喜ぶソフィア。
その時、突然回転木馬が止まった。物陰から現れたのはトゲニシアとヤボーキ。「七色の花かと思ったらこんなことで」とトゲニシアは怒り、花捜しにさっさと出発するように命令する。ルンルンはソフィアの手を取って逃げ出す。ヤボーキは二人のあとを追いかけ始めた。
コーヒーカップ、ミラールーム、ゴーカート・・・ヤボーキを振り切りつつ逃げるルンルン達だったが、とうとうトゲニシアにソフィアが捕まってしまった。「この子の命を助けたかったらさっさと花捜しに行け」と横暴に命じるトゲニシア。「卑怯よ!」と食い下がるルンルン。
隙を見てキャトーが飛びかかり、トゲニシアの顔を爪でひっかいた。はずみでソフィアはトゲニシアの手から逃れるが、自分の顔を傷つけられたことに逆上したトゲニシアは、ヤボーキの静止もきかずに花粉風を巻き起こし、ルンルン達を空高く巻き上げてしまう。
郊外の木の下で気がついた一堂、夜は白々と明けかかっていた。「あんまり遊べなかったわね」と謝るルンルンに「いろんなことを経験して夢のようだった」と喜ぶソフィア。「呪いを解くのを手伝う」という申し出に言葉を濁し、別れを告げて立ち去っていく。後を追おうとしたルンルンの足下には、ソフィアがつけていたバラの髪飾りが転がっていた・・・。
夜が明けて、ソフィアの髪飾りを一座のテントに届けたルンルンに応対したのは、相変わらず無愛想な態度の昨日のピエロだった。ルンルンは人形の髪にバラをつけ「さよなら、ひと晩だけのお友達」と別れを告げ、テントを出る。
そこへ入れ違いに団長が入ってきて「ソフィア、今日こそうまくやれよ」と声をかけた。その言葉を聞いたルンルンは、すかさずピエロの帽子を取る。豊かな金髪があらわれ、ルンルン達はピエロがソフィアだったのだと知った。「なぜあんなウソをついたの」と問いただすルンルン。ソフィアは、団長に「また何かあったのか」と聞かれ「こんな子知らないわ」と言い放つのだった。
「夕べは友だちだって言ったじゃない!」と涙を浮かべて抗議するルンルンだったが、ピエロ姿のソフィアは無情にステージに向かった。
思わず駆け出すルンルンを引き留めたのは、昨日の占い師だった。
テントの中でルンルンは、占い師から理由を聞く。占い師はソフィアの母で、心を閉ざしているソフィアに何とか変わって欲しかったこと、ルンルンを見たときにこの子だったらソフィアを変えてくれると感じたことなどを話す。ソフィアは自分から父の後を継いでピエロをやりたいと志願したにもかかわらず、自分に自信が持てず、全てが空回りしてしまっていたのだった。母は「ルンルンに何とかして欲しくて、ウソの予言までしてみたけれどダメだった」と肩を落とし、ルンルンに謝る。そして団長に「何度言ってもピエロの役割がわからないんです。あの性格のままじゃ、何をやってもムダ。あの子にピエロをやめさせます」と告げる。「父親譲りの才能を持っているのに・・・」とため息をつく団長。
その一部始終をまたまた立ち聞きしていたのはヤボーキ。トランシーバーでトゲニシアに報告すると、トゲニシアからは「ショーをめちゃめちゃにしておしまい」と指令が下る。ステージ向かいの木から、パチンコの要領で岩を飛ばしたヤボーキだったが、自分はその勢いであえなく墜落。
岩はステージの人形に当たり、人形は壊れてしまう。ソフィアは途方に暮れて泣き出してしまった。外に飛び出した団長は、「代りのマジシャンを出せ!」と慌てるが、ルンルンは静止する。
テントの中にあった花を使い、花の鍵で人形に変身。ヌーボとキャトーの呼び込みでステージにあがり、ソフィアと息のあったステージを繰り広げる。
次第に自信を取り戻したソフィアは、コミカルな玉乗りなどを次々と披露して一人で立派にステージを勤め上げ、観客の拍手喝采をあび、「あなたのお蔭で元気が出た」と老人に花束を手渡される。自分の存在が人に喜びを与えられると悟ったソフィアは、胸を熱くして(ピエロをやっていてよかった)と実感するのだった。
ソフィアに別れを告げ去っていくルンルン。
入れ違いに現れたセルジュに、ソフィアは「はいっ!」と風船を手渡す。その声には自信と誇りがみなぎっていた。セルジュは「風船の代わりに」とシネラリアの種を渡した。
《管理人が斬る! この回の見どころ》
何をやってもうまくいかなくて、自分に対する自信もどんどん失ってしまう悪循環・・・本当に苦しいものです。見かねた母の愛に胸を打たれますが、展開としてはちょっと強引!?
まあしかし、ほんのちょっとしたキッカケで、事態が好転することもあります。いじけずめげず、頑張りましょう!